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WECよ永遠に:UFC on FOX 6メインカード結果

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好カードがズラリと揃ったUFC on FOX 6大会のメインカードは、4人の元WECファイターが勝利を飾ることとなった。メインイベントではデメトリオス・“マイティ・マウス”・ジョンソンがフライ級タイトルの防衛に成功。さらにこの日は、3人のWEC出身の成長株のスターが勝利を手にし、タイトル挑戦に名乗りを上げることとなった。

デメトリオス・ジョンソン vs. ジョン・ドッドソン

二人のUFC最速ファイターがオクタゴンで激突したら一体何が起こるのか? 答えはこの日明らかになった。どちら戦士も力尽きることなく戦い抜いた5ラウンドの高速バトル。 デメトリオス・“マイティ・マウス”・ジョンソンが、ジョン・ドッドソンを見事退けてフライ級王座を防衛した。

ジョンソンはこの試合においても、彼の代名詞である「マウス」スタイルを貫いた。不可能とも思われるようなペースで前に出続け、蹴りと単発のパンチを常に出し、さらに力強いダブルレッグでテイクダウンを狙っていったのだ。

序盤においては、ドッドソンのパワーがジョンソンを制するかに見えた。しきりにテイクダウンを狙ったジョンソン。ケージ際でこそ何度か成功したものの、オクタゴンの中央で仕掛けた時にはドッドソンに巧みに防がれてしまう。さらに印象的だったのはドッドソンの左。これでドッドソンは最初の2ラウンド中、実に4度もジョンソンからダウンを奪ってみせた。

しかし、2ラウンドの終盤から打撃でペースを握り始めたのはジョンソン。今までの仕返しとばかりにドッドソン相手に打ち合いを仕掛けていった。ドッドソンも負けじと躍動感溢れる動きで対抗。ケージの反動を利用したフライングニーまで繰り出して見せた。それでもジョンソンは容赦なく圧力をかけていく。やがて疲弊したドッドソンのスピードは落ちてゆき、ジョンソンのボディやショートパンチをもらうこと、特にフェンス際で捕まる場面が目立つようになっていった。

この試合の流れをジョンソンの方に引き寄せたのは、フェンス際での組みの攻防だったと言える。ジョンソンは時が経つごとにクリンチから繰り出す膝蹴りの精度を上げてゆく。4ラウンド、グラウンド状態にあるドッドソンを蹴って試合の中断を招いたこともあったものの、このクリンチこそが試合後半のハイライトとなった。ドッドソンもテイクダウンなどで反撃を試みるものの、終盤にかけて試合は完全にジョンソンのペースに。ジョンソンがドッドソンの頭を手で固定し、膝蹴りの雨を降らせる場面も見られた。5ラウンドにおいてもジョンソンの波状攻撃が炸裂。ドッドソンをフェンスに追い込んでの膝、アッパーカット、ボディを見舞っては、ムエタイ流首相撲からの膝を炸裂させた。

5ラウンドを戦い抜いた後のスコアは48-47、48-47、49-46で、いずれもジョンソンの初防衛を支持。二人のジャッジが1ラウンドを、2ラウンドは三人全員がドッドソンに付けた以外は全てジョンソンが取ったこととなる。MMAキャリアにおいて、いまだにKO一本負けのないジョンソンはこれで17勝2敗1分に。ドッドソンは今回がフライ級初黒星。戦績は15勝6敗となった。

「何度かいいのをもらったよ。」と王者は言った。「一瞬フラっとしたけど、すぐに回復できたんだ。後半はこっちが何発も膝蹴りをお見舞いしたんだけど、彼はタフだったよ。いい試合で初防衛できたよ。」

敗れたドッドソンは潔く敗北を認めた。「勝ったとは思わなかったよ。接戦で、あと1R取れればってところだったんだけど、その1Rこそ取れなくちゃいけないんだよね。またすぐにタイトル戦線に戻ってくるよ。クリンチ対策を上手くなって、もっと強くなって帰ってくるさ。」

クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン vs. グローヴァー・ティシェイラ
破竹の17連勝の後、グローヴァー・ティシェイラは自らのキャリアの中でもっとも危険で、もっとも実績のある対戦相手を迎えることとなった。怒りとやる気に満ちあふれたランペイジ・ジャクソンである。しかしテイシェイラはこの難敵にも3-0の判定で完勝。指導者であるチャック・リデルの「奴は本当に凄いパンチを打つし、打たれ強いんだ。」という言葉を見事に証明してみせた。

試合を通して、二人の重量級ファイターは重いパンチを交換し合うこととなった。静かな展開から突如として派手な打ち合いに転ずることの多かったこの試合。 打撃においては互角の攻防を繰り広げた両者だったが、テイシェイラがジャクソンから易々とテイクダウンを奪い続けたことが優劣を決定付けた。加えて、幾度かジャクソンの顔面をかすめたテイシェイラのハイキックも、ジャッジに好印象を与えたと言えるだろう。

この日のジャクソンのパンチは切れ味鋭く、2ラウンドには、テイシェイラのジャブに合わせて素晴らしいスピードでカウンターのコンビネーションを当ててみせた。後半はスタミナが切れガードが下がり出したジャクソン。ダメージを負いながらも何度もフックの連打を繰り出してテイシェイラを追い詰めてみせた。対するテイシェイラの方は、ボディや顔面に多彩なパンチを当てていった。1ラウンド終了間際には、左フックからハイキックにつなげてランペイジをふらつかせる場面も見られた。しかしランペイジも負けずに、テイシェイラの右に対して危険なカウンターを狙い続け、当ててみせた。ランペイジの大降りのフックこそ、この試合でもっとも印象的な打撃だったと言えるだろう。

両者とも全力で攻撃を繰り出す中、2ラウンドにランペイジが「もっと来い」と挑発すると、3 ラウンドにはテイシェイラが同じように挑発。これまで六つの一本勝ちを収めているテイシェイラは、グラウンドに持ち込むとサブミッションを狙い、グラウンド&パウンドを仕掛けてはみるものの、深追いはせずにランペイジに立ち上がるのを許すシーンが目立った。

最後の数分間。明らかにスタミナの切れたランペイジは、ガードを下げたまま緩慢にケージ際を歩く。そこからほとんど力を使わずにシングルレッグを決め(そして会場のブーイングを誘発した)テイシェイラ。上から肘を繰り出した後、いったんはランペイジに立つことを許してしまう。しかしさらにランペイジに迫ると、残り30秒の地点でまたしてもテイクダウンに成功。テイシェイラはそこから一気にマウントを奪うと、試合終了まで肘と鉄槌の雨を降らせ続けたのだった。

スコアは二人が30-27、一人が29-28(3ラウンドがジャクソン)でいずれもテイシェイラを支持。ビザの問題が長引いたせいで、2012年の5月になって万を持してUFCデビューを果たしたテイシェイラは、これでUFC 戦績3戦全勝。今後二年間でタイトルマッチに辿り着くことを心に誓ってみせた。

「タフな試合だったよ。ランペイジのパンチは強かった。」とテイシェイラは語った。「試合後ジョン・ジョーンズが来てくれて『いい試合だった。俺と戦えば凄い試合になるな。』って言ってくれたんだ。僕は長年にわたってビザの問題のせいで一流選手と戦えなかった。だからもしジョーンズのような超大物と戦えたら最高だ。ぜひUFC王者になりたいと思ってるけど、僕と同レベルの選手たちが他にもいるのも確かだ。だからまずはそれらの選手たちと戦って、挑戦権があることを証明したいね。」

ランペイジはこれで三連敗、その戦績は32勝11敗に。これがUFC最後の試合になるかどうかは定かではないが、ランペイジ自身はこの試合の出来に満足気だった。「本当に勝ちたかった。俺はいつも、退屈な試合で勝つよりはいい試合して負けたいと思っている。そしてファンたちは今日の試合をエキサイティングだったと言ってくれている。だから悲しいけど悲しくないってことだな。今日はランペイジらしく戦えた。奴も激しく向かって来たし、そのことをリスペクトするよ。俺があんなに簡単にテイクダウンされるなんてな。奴は才能あるぜ。」

ランペイジvs. テイシェイラ戦のハイライト映像を見てみよう。

アンソニー・ペティス vs. ドナルド・セラーニ
ともにWECを経てUFCでスターダムに駆け上がった二人、ドナルド・“カウボーイ”・セラーニとアンソニー・“ショータイム”・ペティスの待望の一戦は、まさかの短期間決着に。試合後しばしの様子見の攻防の後、ペティスは強烈なミドルキックをヒットさせて ゆく。そして四発目でセラーニをマットに沈め試合を決めてみせた。

試合開始直後からパンチを交錯させた両者。ここで下がったのはペティスの方。注意深くサークリングをしてから、電光石火のパンチのコンビネーションを放ってゆくペティス。対するセラーニはキックを中心に前に出てゆく。しかし、セラーニがペティスを金網際に追い込んだ瞬間、ペティスの代名詞である驚異の「ショータイム」キックの新ヴァージョンが炸裂!飛び上がって金網を蹴ったペティスは、そのまま飛び膝をセラーニの顔面にヒットさせ、さらに左フックにつなぐ。練習でも一度も命中したことがないという超難技を本番で見事にヒットさせてみせた。さらにミドルの二連打でセローニを追い込んだペティス。サウスポーにスイッチした体勢から、セラーニのレバーに左ミドルを強烈にヒット!たまらずダウンしたセラーニは続く鉄槌の連打をなす術もなく受け続け、レフェリーが試合を止めた。

時間は2分35秒。ペティスはこれで二試合連続の蹴りでのKO勝利で、戦績を14勝2敗としてみせた。2010年に最後のライトWEC王座に輝いたペディスは、試合後のインタビューで待ちに待ったタイトル挑戦を懇願した。敗れたセラーニの方はこれで19勝5敗1ノーコンテストに。セラーニはここ10試合において、この試合を除くと前回タイトルに挑戦したネイト・ディアズにしか敗れていないこととなる。

普段は極めて紳士的なペティスだが、試合後は極めて饒舌だった。「奴を1ラウンドでぶっ倒せて最高だ。奴は俺が負傷している一年間の間、ずっと挑発してきやがった。俺は奴のことを恐れているってな。それを一年間おとなしく聞いていなけりゃならなかったんだ。だから最初の2分くらいで奴をぶちのめすことが何より大切だった。これでもう奴が何か抜かすことはないだろうからな。俺はタイトル挑戦を要求する。俺は何年も前から挑戦権を持ってたんだ」

ペティスの 試合後インタビューを 見てみよう。

エリック・コク vs. リカルド・ラマス
2012年、負傷欠場のせいでタイトルへの第一挑戦権 を失ってしまったエリック・コク。この土曜日にオクタゴンへの復帰を果たしたが、シカゴ出身の台頭中のフェザー級戦士、リカルド・“ザ・ブリー“・ラマスの前に生涯初のTKO負けを喫することとなった。

お互いがローキックを打ち合いハイキックを試す様子見の展開で幕を開けた1ラウンド。やがてケージ際でテイクダウンを狙うラマスと、それをがぶって防ごうとするコクの攻防が延々と続いた。ラマスはコクの足を掴んで二度ほどテイクダウンに成功するものの、コクはいずれもすぐに立ち上がってみせた。

同様の展開が続いた2ラウンドだが、前に出たラマスが足を滑らせたところから急展開。ギロチンを狙ったコクに対してすぐに上のポジョションを奪ったのはラマス。そのままラマスが背筋を伸ばしてボディと頭に強いパウンドをヒットさせると、コクの方は両足を駆使してラマスをガードの中深くに引き入れようとする。ここまでリーチに勝るコクに対して、スタンドで距離を掴めずにいラマスにとって、このグラウンド戦が勝利の鍵となった。そしてその勝利は血にまみれたものだったのだ。ラマスはコクのオープンガードの上から大降りのパンチを連打し、さらに強烈な肘をコクの顔面にスマッシュヒット!コクの顔面を切り裂いて、さらに打撃の雨を降らせて2分32秒でTKO勝利を飾ってみせた。

この結果、この二人の元WEC戦士はともに13勝2敗となった。ラマスはこれでUFC入りして無傷の四連勝。「地元のシカゴで戦えたんだ。自宅の自分のベッドで寝れて、ずっと友達や家族と一緒にいた。こんなにリラックスして試合に臨めたことはなかったよ。観客も最高だった。みんな僕のセコンドだったからね。」とラマスは言った。「僕はカブ・スワンソン、日沖(発)、そしてコクに勝った。この三人はみんなタイトル戦が予定されていた選手だ。それを全員倒したんだ。来週のアルド対エドガーの勝者と戦わせてほしい。」

ラマスの 試合後インタビュー を見てみよう。

 

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